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GENAI-FOUNDATIONS✦ DRAFT (下書き)Difficulty: Level 1

Logical Thinking

Reading: 103 min

パフォーマンスを上げるロジカル・シンキング

    • 標準学習時間:10.00 時間
    • 標準受講期間:6 ヶ月
    • 受講期限:2026-12-17 まで

コース概要

本コースは、はじめて管理職になった方やその候補となる方を対象にしたコースです。本コースでは、はじめにロジカル・シンキングに取り組むための心構えを学習します。つづいて、ロジカル・シンキングの基本知識・スキルを学習し、最後にその知識とスキルを活用した問題解決とコミュニケーションのスキルについて学習します。本コースの学習により、効率的に仕事を進め、自分だけでなく部署や会社全体の生産性が上がることを目指します。

学習目標

    • 客観的に筋の通った結論を導くことができる。
    • 見落とされていた機会や脅威を発見できる。
    • 効率的に問題発見や問題解決ができる。
    • 相手を理解したうえで、説得力のある主張ができる。

前提知識

特になし

備考

プロジェクトマネジメントシリーズ(PDU取得対応)に、本コースとほぼ同じシナリオですがプロジェクトマネジメントのための学習を考慮した内容の「パフォーマンスを上げるロジカル・シンキング(10PDU取得:リーダーシップ)」がございます。

はじめに

学習の流れ

本コースでは、各章のはじめに、木村さんとその上司の不動マネジャーが登場するエピソードがあります。そこで、木村さんにはどのような課題があるのかを、不動マネジャーが指摘したり、アドバイスしたりします。みなさんは、その内容を意識して、あとに続くレッスンを学習しましょう。

    • 木村さんの課題:「物事を筋道立てて考えたり、突き詰めて考えたりすることが苦手なため、仕事のパフォーマンスがいまひとつ上がらない」
    • 対策:ロジカル・シンキングを身につけ、仕事のパフォーマンスを上げること

1章:ロジカルシンキングの全体像と基礎技術(目的を押さえる)

    • 考えるとは
    • 「考える」とは、「知識や経験に基づいて分析的・理性的に、筋道を立てて頭を働かせること」。
      • ビジネスにおいて、これが適切な方法で十分なレベルまでできていないと、自分だけでなく組織としての仕事の効率低下にもつながる。
        • 例えば以下のケース
          • 原因の掘り下げが不十分→同じ問題の繰り返しが発生
          • 考えて整理できてない→相手に言いたいことが伝わらない
          • 考えることが的外れ→良い結論が出ない
    • 陥りやすい思考パターンを知る
      • 初回提案書(提案骨子)を考えたい。どんなポイントで作成しましょう?
        • 「思考や議論の出発点」は何か=先方の立場・関心を考えると、私たちが考える問いは何か、狭く考えず広く押さえること。
          • 提案書で述べるべきポイントや話の展開が異なる
          • 要するに、何を論ずるか、提案、議論の目的、範囲を押さえるべき
        • 一般的な訴求ポイント(例えば、信頼性や価格)でなく、どうして弊社や部品に興味を持ったのか。
          • 訴求ポイントで狭く決めつけるのでなく、「弊社や商品の強みは何か」と広く押さえること
          • 思考の停止:ニーズは先方に聞かないとわからないと決めること。(=考えるネタがないとそこで考えることを諦めてしまうこと)
            • 実際には、訪問時に聞かないといけないが、現段階では仮説で十分
              • 例えば、カーナビ業界の情報やS社のHP、以前弊社がやった類似の取引内容などを調べる。
                • クライアントの問題意識やニーズへの**「あたり」**をつけること
                • この仮説をクライアントにぶつけること
                  • What: 深い議論ができる
                  • What: 課題やニーズもクリアになって喜ばれる。
    • 顧客が弊社に答えて(提案して)欲しいことは何か広く捉えているか?
      • 狭い論点ではないか:提案書の訴求点を自社の部品Aの一般的なセールスポイントである信頼性だけに決めてしまい、先方のニーズを考えていない。
    • 聞き手の問いの真意を理解していない
      • なぜ先方が部品Aに関心を持ったのか:それは一般的なポイントではないかもしれない。
    • 情報がないという理由で思考停止する
      • ニーズは先方に聞かないとわからない。本当にそうか?例えば仮説は?
    • 当事者意識を持って考えていない
      • 自分なりの責任や今後の行動を自覚すること

ロジカルシンキングとは

考えること」は、知識や経験に基づいて分析的・理性的に、筋道を立てて頭を働かせることであり、重要なのは「物事を適切な方法で十分なレベルまで考える」ことです。その「物事を適切な方法で十分なレベルまで考える」のに役立つのが「ロジカル・シンキング」です。

    • ロジカルシンキングとは
    • 「物事を適切な方法で十分なレベルまで考える」うえで役立つのが、ロジカル・シンキングです。ロジカル・シンキング( Logical Thinking )を日本語に直訳すると「論理的思考」です。「論理」とは「言葉の筋道」、「言葉を使った理屈の組み立て方」ということになります。
    • 本コースでは、「論理展開のポイント(注意事項)」という狭い範囲ではなく、論理的に考えるうえで必要な心構えを土台に、正しく、効率的に思考するための基本技術や、それらを合わせた総合技術・方法論(ツール、テクニック、フレームワーク)もふくめ、広く学習します。それにより「物事を適切な方法で十分なレベルまで考える」ことを目指します。
    • 効用を説明できるようになる
メリットの具体例 「個人だけでなく、組織にも大きな効果がもたらされる」 - - 感情や感覚に流されず、自分の頭で客観的に筋道立てて考え、正しい結論を導くことができる。 - - 効率的な問題発見や問題解決ができる。 - - 斬新な発想ができたり、これまでは見落とされていた機会や脅威を発見できたりする。 - - 相手の言いたいことをより的確に理解したり、自分の主張をより説得力をもって伝えられたりすることで、効果的なコミュニケーションができる。
    • ロジカルシンキングの全体像
    • ロジカル・シンキングの全体像と構成要素は下の図のようになります。ロジカル・シンキング自体は「考える技術」の総体ですが、ベースには、「当事者意識をもつ」 「言葉づかいにこだわる」 「ねばり強く問い続ける」といった「心構え」が必要です。
    • そのうえで、「目的を押さえる」、「枠組みを決める」、「正しい論理展開をする」という3つの基本的なパーツ技術(プロセス)があります。そして、これら技術の合わせ技、応用として「問題解決する技術=効果的・効率的に問題を発見し解決する技術」と「伝える技術=説得力をもってコミュニケーションする技術」の2つがあります。
    • ロジカルシンキングの全体像

Points ロジカル・シンキングの適切な実践で得られる考えの密度 - - 「客観的に筋の通った正しい結論を導く」 - - 「効率的に問題発見や問題解決ができる」 - - 「見落とされていた機会や脅威が発見できる」 - - 「相手を的確に理解し、自分の主張に説得力をもたせられる」
Q&A - - いきなり細かいところに決めてかかるのを防ぐので、組織の中で発想の広がりを期待できる * 思考の守備範囲が広がる + Why:枠組みを意識して全体を広く捉え、深く掘り下げるから + What So:発想も広がることが期待できる - - 常に今何を考えるべきかという目的やゴールを意識するため、会議で効率的に議論できる * =考える目的を常に意識する + What So:議論の脱線を防ぎ、議論の効率を高めることが期待できる - - 組織で実行した対策の効果が出なかった場合、原因を確認できる * Why: 思考プロセスを見えるかしながら進めるから * What So:振り返りチェックも容易 - - ❌全員が正しい論理で対話することで、1つの結論を導き出せる * 論理的に考えたからといって、結論が絶対解として1つに集約されることではない。 + Why:論理に使う「前提」によって結論は変わるから + むしろ、対話では互いの主張構造を確認する際に「論理」が役に立つものである。

心構え1

本コースでは、ロジカル・シンキングを「心構え」、「基本技術」、「総合技術」の3つの要素に分けて学習を進めます。「基本技術」と「総合技術」は物事を論理的に考えるうえではもちろん必要ですが、その前に、それらの技術を使いこなすために不可欠な「心構え」について押さえておきましょう。

Points 3つの心構え、「当事者意識をもつ」 「言葉づかいにこだわる」 「ねばり強く問い続ける」を備えて、 パフォーマンスの高いロジカル・シンカー( Logical Thinker )を目指しましょう。

ロジカル・シンキングに取り組むための心構えのポイントは、「当事者意識を持つ」、「言葉づかいにこだわる」、「ねばり強く問い続ける」の3つです。

1. - 当事者意識を持つ * まず、「何のために考えるのか」を考えること。とくにビジネスの場面で考えるということは、以下のようになんらかの自分の行動がともなう場合がほとんど + 何らかの問題解決に向けて動き出したい + 上司にわかりやすく説明をしたい + 顧客に自社製品を選んでもらうために効果的な説得をしたい * 他人事ではなく「我が事」として、「限られた情報をこの状況でどう解釈し、今どういうことを決めて、どういう行動を起こすべきか」という、中途半端ではない実行切迫感、熱い思いがないと思考は深まらないものです * **よいロジカル・シンカーには、たとえ自分とは直接関係のない事柄でも、「自分だったらどう考えるか、どういうアクションを起こすか」と、日頃から自分自身に問いかけて思考を鍛えている人が多いものです。** 2. - 言葉づかいにこだわる * 「論理」が「言葉の筋道」、「言葉を使った理屈の組み立て方」である以上、「言葉づかいにこだわる」ことは、ロジカル・シンキングでは大切な心構えです。「言葉の甘さ」は「思考の甘さ」を意味すると言っても過言ではありません。思考を支える「言葉」を、私たちはあまりにもいい加減に使っていないでしょうか。ここでは2つポイントがあります。1つは「あいまいな言葉に逃げない」、もう1つは「主語、述語、目的語を明確にする」です。 + 曖昧な言葉に逃げない - 数字と違って、もともと、「言葉」はあいまいな部分をもたざるを得ない性質のものです。ビジネスの場合に限っても、抽象的な言葉がたくさん使われます。 * 具体例:サービス/付加価値/組織の活性化/ソリューション/差別化/戦略/ソフト/見直す/整備する/検討する/再構築する/生産性を上げる - 例にあげたような言葉は人や状況によって、内容や解釈に幅がある場合が多くあります。このような言葉を「抽象語」とか、「ビッグワード」といいます。 - 一般的に同じ組織に長年いると、こうした言葉づかいが助長されていく傾向があります。こうした言葉を使うこと自体がわるいというのではありません(「抽象化」はりっぱな思考技術です)。抽象的だったり、人によって解釈に幅があったりすると考えられる場合、言葉をきちんと定義して周囲の人たちと合わせる、それはどのような状態なのかまで具体的に落としこむ、あるいは、5W1H レベルまで明確にすることが重要なのです。 - 「ビッグワード」に頼ると、それ以上考えない「思考停止」に至りがちです。こうした「思考停止ワード」で済ませるのではなく、その先をいかに具体的に掘り下げて考えているかが大切なのです。 - **大切なのは、言葉をきちんと定義して周囲の人たちと合わせる、それはどのような状態なのかまで具体的に落とし込む、あるいは、5W1H レベルまで明確にすることです。** + 主語・述語・目的語を明確にする - 言葉づかいがあいまいになるもう1つの原因が、「主語 ・述語 ・目的語の省略」です。論理の基本単位は「主語と述語の組み合わせからなるひとまとまり=メッセージ (文、主張)」です。 * たとえば、「あなたの組織の問題は何?」と聞かれて、「コミュニケーションです」だけだと、自分たちの組織全般の話なのか、上司部下の間の話なのか、他部署との間の話なのか、どういう場合にそれが問題になるのかわかりません。また、コミュニケーションの量に問題があるのか、量ではなくて手段や質に問題があるのかということもわかりません。これでは、問題の原因を深掘りしたり、解決策を考えたりすることも難しくなります。論理的に考えることは、主語・述語・目的語を明確にすることからはじまります。 - **ロジカル・シンキングは主語・述語・目的語を明確にすることからはじめましょう。** * 例えば以下のように聞き手にイメージが浮かぶように意識する + 定量化する + より具体的項目に落とし込む + 目的語=何を差別化していくのか + どの程度、期間=いつまで前倒しして当初計画を進めるのか 3. - ねばり強く問い続ける * 4つのキーワード + Why:より本質的な問題原因を突き詰め、より効果の高い具体的な解決策となり、良い仮説を導き出せるから。 ![](https://www.geodyssai.com/wp-content/uploads/2026/06/image-1-862x1024.jpg) - - まとめ * Aさんの対策も一見よさそうに見えますが、「この問題が起こった原因は何か?」という質問を1回でやめてしまっています。これでは根本的な原因まで届いていないため、いくらルールを作ってもそれは守られずに問題が再発してしまうでしょう。 * Bさんの場合は、もっともらしい原因が出てきても、さらになぜ?なぜ?と何度も、あきらめずに問いを繰り返した結果、より本質的な解決策になっています。このように、5回の Why? を繰り返すことを行動規範とする企業もあります。 * So What + 一見、自分とは関係あるとは思えない事象であったり、情報がほとんどなかったりしても、そこであきらめて思考をとめるのではなく、そこにある(手に入る)情報から何が言えそうか、だから何なのか( So What? )という問い(解釈)を繰り返し、「仮説 」を作っていく姿勢が大切です + **「仮説」とは、「限られた時間や情報の中で、最大限の想像力と論理を駆使して考えられるもっとも確からしい、判断やアクションにつながる仮の結論」のことです。** * True?/Others? + 常識的な情報や権威と目されているような人の意見などもうのみにしないで、True? (本当か?、現在でもそれは当てはまるのか?)と疑ってみることや、1つの理由や根拠で満足しないで、Others? (ほかにないか? それだけか?)と幅広く探ってみるという「問い続け」も重要です。 - - 以上のように、Why? So What? True? Others? という4つの問いをねばり強く続けていくことで、これまで見えなかった問題や原因、だれも気づかなかった機会(もちろん脅威も)やアイデアを見つけることができるでしょう。当事者意識をもって、ねばり強く何度も問い続けることで、考える力や習慣がつくでしょう。 ![](https://www.geodyssai.com/wp-content/uploads/2026/06/image-1-1024x727.png)
Points **Why (なぜ)? So What (だからどうなる)? True (本当)? Others (ほかにはないか)? という4つの問いをねばり強く続けていくことで、これまで見えなかった問題や原因、だれも気がつかなかった機会や脅威やアイデアを見つける可能性が高まります。**
Q&A:Othersの練習 あなたは、自社の新しい製品(サービス)について、我が社のこれまでのものと違って、今度の新製品はたくさん売れます」と言いたいと思ってる。「たくさん売れる」と言える理由をOthers(他にないか、それだけか)を問いを立てて、できる限り多くあげてください。製品やサービスは自由に設定して構いません。具体的なものを一つ決めよう。 ヒント - - Aの機能がついているから、Bの機能がついているからというような、同じ性質の理由でたくさん挙げるのではなく、違う性質(切り口)の理由で考えましょう。 - - 景気がいいから、世界が平和だからといった、漠然としたものではなく、より具体的な理由を考えましょう。 私の回答 - - クライアントの最近の動向を調査してニーズを整理し、トレンドにあった強みを待たせたから。 - - キャンペーンを付与したから - - 顧客アンケートに沿って機能開発したから - - 価格を10%下げたから。これで、実際に使ってもらう機会を増やすことで、新商品や別商品の機会損失を狙っている。 解答例 大切なことは、1つの理由や事象で満足するのではなく、Othersと粘り強く問い続けて、幅広く考える姿勢。解答例は、(a)はターゲットのニーズや市場の大きさ、(b)は製品ポジショニング全般の内容。(c)〜(f)は、いわゆる「マーケティング」の4P(Priduct, Price, Promotion, Place)と呼ぶもの。 (a)既存製品より、顧客ニーズ(潜在市場規模)が大きいから (b)既存製品より、競合と比較して「製品ポジショニング(訴求価値)」が明確だから (c)競合製品・既存製品より、製品・サービスが優れているから - - 機能・性能がよい - - 品質が良い - - 外形デザインが良い - - サービスや保証が充実しているから (d)競合製品・既存製品より、価格条件が充実しているから - - 価格が安いから - - 割引インセンティブも良いから (e)競合製品・既存製品より、プロモーションが充実しているから - - 広告宣伝活動が充実している - - 販売促進活動が充実している - - 人的販売(営業担当の数・質)が充実している (f)競合製品・既存製品より、販売チャネルが充実している - - 販売チャネル(扱う代理店や店舗など)の数がおおい - - 販売チャネル(扱う代理店や店舗など)の質が良い

基本技術1:目的を押さえる

**考える出発点である「今何を考えるべきか」最終目的地である「解決すべきことは何か」**を明確にすることの大切さを理解しよう。

以下の経験はありませんか - - 会議などで話がかみ合わなかった。 - - 本当に議論したいことと関係ないことで時間を使ってしまい、議論が進まず、結論が出せなかった。 - - 上司や顧客に「それは私の聞きたいことではない」などと言われた。 - - Mgrの質問に対して的外れな返答をしている - - 顧客の本当に聞きたいことを的確に捉えられなかった **このような問題=思考作業のむだ・非効率のほとんどは、「今何を考えるべきか」、「今何を論ずべきか」をきちんと押さえていないことが原因です。**

まず、「今何を考えるべきか」を考える

自分で何か考える場合、コミュニケーションをはじめる場合、また、みんなで問題解決をする場合でも、「今何を考えるべきか」、「今何を論ずべきか」、「ここで解決すべきことは何か」を最初に適切かつ明確に押さえ、そこからはずれないように意識することは極めて重要です。

さらに、目的を「押さえ続ける」ことも重要です。最初は目的を押さえていても、いつの間にかずれてしまうということはよくあることです。会議などでも、常に目的を意識しながら進め、途中で議論が混乱、脱線してきたら、「ここでの目的は何だったか」に立ち返って軌道修正する姿勢が大切です。

「問い」に落とし込む

「考えるべきこと」・「論ずべきこと」は、疑問形にすると、思考が深まり、答えやすくなります。たとえば、「我が社の研究開発体制の問題について」というよりも、「我が社の研究開発部門の意思決定が遅いのはなぜか」と、具体的な問いにしたほうがずっと考えやすく、答えやすくなります。とくに、リーダーであれば、いかに「よい問い」を立てるかが重要な役割になるでしょう。

重要 **「よい問い」のポイントは大きく3つです。** - - 具体的にどう答えればよいかのイメージがしやすいもの(みんなで意識が共有しやすいもの)。 - - それを考えれば仕事が前に進む、優先順位の高いもの(考える意味があるもの)。 - - 伝えたい相手が聞きたいもの(ターゲットとなる相手の関心事・懸念点を押さえたもの)。
Points 自分で何か考える場合でも、集団でコミュニケーションや問題解決をする場合でも、「今何を考えるべきか」、「今何を論ずべきか」、「ここで解決すべきことは何か」を最初に適切かつ明確に押さえ、「答えやすく、よい問い(疑問形)」に落とし込むことが重要です。
Q&A あなたの会社の技術部では、現在、部品組み立て機械の更新を計画している。そこで、技術部の担当者はこの更新について、関係者に提案する必要があります。 次の関係者の関心があることを考え、「彼らが聞きたいこと(考えるべきこと)」を問いの形で書いてみましょう。 Points: それぞれの立場を意識して考えること 関係者 1. - 製造部のマネージャー:Here 2. - 製造現場の作業長:Here 3. - 設備購買部のマネージャー:Here 私の回答 1. - その更新で、売り上げ向上につながるのはなぜか? 2. - 設備更新にあたり育成コストとかがあるので、いつから更新か。また本当に皆が納得がいくのか 3. - 費用は?幾つ購入するのか?経営層が動く証拠となる効果は何か? 解答例 重要なことは、伝えたい相手がどのような立場の人で、何に関心を持っているのかをしっかり考えること。 1. - 新設備導入で製品品質や製造コストへの影響はどうか(以前より改善するのか)? 2. - 新設備の操作性はどうか(使いやすいか)? / 設備レイアウトや配置人員への影響はないか? 3. - 新設備の価格や購入条件はどうか(以前より改善するか)?

マンチカン
マンチカン
「今何を考えるべきか?」を適切に設定できるようになろう

考えるときに、その目的を押さえるには、 「今何を考えるべきか」を的確に押さえるためには、「今何を考えるべきか」、「解決すべきことは何か」を適切にとらえ、具体的な問いに落とし込むことが大切です。では、どうしたらそうした主論点 を適切に設定し、具体的な問いに落とし込むことができるでしょうか。

主論点:一般的に、「論点」とは「議論の対象となっている問題点」を指すが、本コースでは、「現時点で考え、論ずべきこと」をいう(issue)。「主論点」とは、「主要な論点(問い)」「根本的な論点(問い)」を指し、これに対する答えがピラミッドストラクチャーにおける「メインメッセージ」である。「主論点」を分解した小論点を、「副論点」という。

「考える目的地図」を描く

「今何を考えるべきか」を適切に押さえるためには、下の図のような「考える目的地図」を描いてみるとよいです。現在の状況を改善したいときや何か問題が発生したときに広く活用できる思考の地図です。

よこ軸は、問題特定から問題解決に至るプロセスで、左から右へと流れます。問題の所在(Where)や原因(Why)を特定したら、次は問題に対する打ち手(What)を考え、次いで実行シナリオ(How)を考えるという順番になっています。たて軸は、考える範囲の大きさで、上から下に大枠から細部へ、抽象的なものから具体的なものへと流れます。

「今考えるべきこと」を適切に特定するには、「これを考える前に、考えなくてはならないことはないか?」、あるいは、「これを考えるのはなぜか?」という問いを自分に投げかけることがポイントです。私たちは先走ってしまいがちなので、右から左へ、下から上へ、一度引き戻して考えることがコツです。つまり、その目的や大元といった「上流」にいったん立ち返ってみるということです。

たとえば、最近、得意顧客から品質に対するクレームがふえてきているという事実があるとしましょう。考えるべきことはさまざまですが、(①)問題発生の範囲や深刻さもわからない、つまり、現状認識をちゃんとしていないのに、(②)いきなり原因を考えようとしても考えようがないですし、(②)問題箇所や原因もわからないのに、(③、④)対策など考えられるはずもありません。また、(③)品質向上のための対策基本方針もないのに、(⑤)対策の実行体制を考えるのは拙速すぎます。あるいは、(⑤)大枠の実行体制も決まっていないのに、どの品質検査装置を導入しようかというような細かい個別のことを考えてもしかたありません。

このように、「この時点で何を考えるべきか、論ずべきか」は、広すぎず、狭すぎず、そして、先走りすぎず(よこ軸方向に行きすぎず)、ちょうどよいものである必要があります。広すぎると、議論が漠然としてしまったり、発散してしまったりします。逆に狭すぎると、細部の話になりすぎて他に考えるべきことが漏れてしまいます。また先走りすぎる、つまり、問題点や原因も特定できていないのに、いきなり解決策や実行策をどうしようかに行ってしまっても、結局は後戻りする羽目になってしまうのです。 「考える出発点」をどう設定するかによって、思考の全体像や方向性が全然違ってしまう怖さがあるので、注意が必要です。

議論を本格的にはじめる前に、このような「考える目的地図」を組織のメンバーと一緒に描いてみて、「考えるべきことの全体像」を見渡し、今置かれている位置を確認すると、適切な論点が定められる可能性が高まります。
繰り返しになりますが、その際、地図ののより左方向や上方向に、一度「引き戻す」プロセスを入れるとより効率的な議論がスタートできるでしょう。

Points **「何を考えるべきか」は、広すぎず、小さすぎず、そして、早すぎず、ちょうどよいものである必要があります。適切な主論点やテーマを設定するには、「考える目的地図」で「考えることの全体像」を見渡し、今の立ち位置を確認するようにしましょう。**
Pop Quiz あなたの会社では、コスト削減・効率向上を目的とした「ペーパーレス化推進運動」を行なっている。事務局は総務部のAさんです。 しかし、ここ3ヶ月ほど全社の紙使用量が以前より増えており、何らかの対策が必要である。出張中の総務部長も心配して、Aさんに「この件、私が戻る来週末に報告してほしい」とメールをしている。そこで、Aさんは以下のような骨子を考えている。 - - コストがかからない3つの方法で、ペーパー削減を再喚起したい * 社内全コピー機に「無駄使い注意、裏紙活用促進」のノーティスを貼る * 総務部長名で、全社員が見られる電子掲示板で注意を呼びかける * 各職場リーダーからメンバーに対して、再度徹底の意識づけをしてもらう この報告を同僚に見せたところ、四人が意見を言っている正しいか判断しなさい - - ❌コストのかからない喚起の方法は他にもあり、それらについても述べるべき * 部長が最も知りたいことは喚起の方法ですか? - - ❌提案した対策の、より詳細なプランも同時に述べるべき * 詳細なプランより、部長がもっと知りたいと思っていることはありませんか? - - ❌ペーパーレス化を進めている背景も述べるべき * 推進の背景は、推進運動を導入するときに明らかになっていると考えられるので、今、その話をする必要はないでしょう - - 🙆こうした対策提案の前に、なぜ最近、紙使用量が増えているのか(原因)?をまずは述べるべき * Aさんの報告の骨子は、**今ここで考えるべきことを外している**。部長の関心を考えると、具体的な対策の前に原因を説明するべき。

1章まとめ

    • 「物事を適切な方法で十分なレベルまで考える」ことが重要
    • 「考える」とは、「知識経験に基づいて、分析的・理性的に、筋道を立てて頭を働かせること」である。ビジネスにおいて、これが適切な方法で十分なレベルまでできていないと、自分だけでなく組織としての仕事の効率低下にもつながってしまう。
    • 「ロジカルシンキング」は、問題解決やコミュニケーションなど幅広く役立つ
    • ロジカルシンキングの適切な実践により、「客観的に筋の通った正しい結論を導く」、「効率的に問題発見や問題解決ができる」、「見落とされていた機会脅威が発見できる」、「相手を的確に理解し、自分の主張に説得力を持たせられる」ことに近づく。
    • ロジカルシンキングの「心構え」は、効果的・効率的な思考の基本
    • 3つの心構え、「当事者意識を持つ」「言葉使いにこだわる」「諦めずに問い続ける」を備えて、パフォーマンスの高いロジカルシンカー(Logical Thinker)を目指そう。
    • 大切なのは粘り強く問い続ける習慣
    • Why(なぜ)?, So What(だからどうなる)?, True(本当)?, Others(他にはないか)? という4つの問いを粘り強く続けていくことで、これまで見えなかった問題原因、誰もが気づかなかった機会脅威アイデアを見つける可能性が高まる。
    • ロジカルシンキングの最初の一歩は、「考える目的」を押さえること
    • 自分で何か考える場合でも、集団で対話や問題解決をする場合も、「今何を考えるべきか」、「今何を諭すべきか」、「ここで解決すべきことは何か」を最初に適切かつ明確に押さえ、「答えやすく、良い問い(疑問形)」に落とし込むことが重要である。
    • 「考える目的(主論点)」を的確に押さえるために、「今どこマップ」を描く
    • 「何を考えるべきか」は、広すぎず、小さすぎず、そして、早すぎず、ちょうど良いものである必要がある。適切な主論点やテーマを設定するには、「今どこマップ」で「考えることの全体像」を俯瞰し、今の立ち位置を確認しよう。
マンチカン
マンチカン
これで、「考える」とは何か?、ロジカルシンキングの全体像、基本の心構えと考える目的を押さえるポイントについて理解できたはずです。
EXCERCISE Q1: ロジカル・シンキングの「心構え」の中でも、「ねばり強く問い続ける」ことはとくに重要です。つまり「思考を止めない」、「ねばり強く考え抜く」ということです。 ここでは、あなたの仕事上のテーマや課題・問題を1つ取り上げて、いろいろな角度からの「問い」を書き出してください。 Points: Why, So What, True, Others A1: 「大型デジタルサイネージの広告主に対する効果測定をするには」をテーマとする。Whyは、現在広告出稿していただいている顧客に結果を考えんできていないから新規契約や継続契約による広告掲載枠を最大限埋めれていない。また、顧客体験の向上につながる施策であるから。SO Whatは、利益率向上や顧客体験の向上につながる。Trueは、事例を調べてみる必要がありそう。フェルミ推定をしてみるとか。Othersはどうでしょうか。現在は物体追跡ソリューションで通行人数や視聴人数、属性を還元しようとしている。(少し飛び飛びになっていそう) Q2: どなたでも次のような経験があるでしょう。 - - 会議などで話がかみ合わなかった。 - - 本当に議論したいこととはあまり関係ないことで時間の大部分を使ってしまい、議論が進まず、結局結論が出せなかった。 - - 上司や顧客とのコミュニケーションで、「それは私の聞きたいことではない」などと言われた。 具体的にあなたが経験した、このようなことを1つあげてください。そして、どのようにすればそれが防げたのかを振り返って記述してください。 A2:検索システムの改善PJTでの解決策が顧客の立場を考えると、私が着手している検索モデルの改善ではなく、辞書を前段階に追加して、新規のものについてはAI検索をそのまま使うという方が顧客のシステム改善の要望の主論点であったこと。これは考える目的地図を書き出すことで解決できたかもしれない。現状のシステムがどうで、どこに課題があるのか、いきなり検索モデルの精度改善に入るべきではなかったことがわかったはず。 Q1解答例とアドバイス <figure class="wp-block-table"><table class="has-fixed-layout"><tbody><tr><td><strong>木村さんの場合</strong></td></tr><tr><td>「優良案件を失注してしまった。残念・・」<br>・なぜ失注してしまったのか?<br>→価格が高くて顧客に受け入れられなかったから失注してしまった。<br>・だからどうなるのか?<br>顧客との関係がそこで終わってしまう。</td></tr><tr><td><strong>不動マネジャーのアドバイス</strong></td></tr><tr><td>まだまだ浅いね。たとえば、次のように掘り下げることができそうだよ。掘り下げる方向は1つではないこともわかるかな。<br>◆Why?の例<br>・なぜ失注してしまったか?<br>→価格が高くて顧客に受け入れられなかったからだ。<br>・なぜ顧客に受け入れられない価格になったのか?<br>→価格に見合う価値を顧客に提示できなかったからだ。<br>・なぜ価格に見合う価値を提示できなかったのか?<br>→顧客が有益と思える価値が何かをつかめなかったからだ。<br>・なぜ顧客が有益と思える価値が何かをつかめなかったのか?<br>→顧客の本当のニーズを面談でしっかり聞けなかったからだ<br>・なぜ……?・なぜ失注してしまったか?<br>→価格が高くて顧客に受け入れられなかったからだ。<br>・なぜ我が社の価格は競合より高いのか?<br>→我が社の製造コストが競合より高い(予想)からだ。<br>・なぜ我が社の製造コストは競合より高いのか?<br>→慣習的に、ずっと同じ業者から部品調達しているからだ。<br>・なぜ……?<br>◆So what?の例<br>・失注してしまった。だからどうなるのか?<br>→優良顧客との関係がそこで終わってしまう。<br>・優良顧客との関係がそこで終わってしまうとどうなるか(何を意味するか)?<br>→優良顧客からの情報収集や、我が社からの提案の機会がなくなってしまう。<br>・優良顧客からの情報収集や、我が社からの提案の機会がなくなってしまうとどうなるのか?<br>→優良顧客からのフィードバックが生命線である新製品開発が滞ってしまう。<br>→失注したからこそ、その顧客に会う機会をもっと増やそう。<br><strong>ポイントは、次の対策(アクション)が見えるまで、「問い」を続けることです。</strong><br></td></tr></tbody></table></figure> Q2解答例とアドバイス <figure class="wp-block-table"><table class="has-fixed-layout"><tbody><tr><td><strong>木村さんの場合</strong></td></tr><tr><td>◆経験<br>上司に「顧客への納品が遅れたのはなぜか」と聞かれているのに、「顧客にどのように納品遅れを説明したか」について説明して、上司に指摘された。営業会議で「今回の顧客からのクレームをどう対処すべきか」を話し合っているのに、「いつ顧客に謝罪に行くか」が話の中心になっていた。◆防止策<br>人の話をもっと注意深く聞く。会議テーマをもっと意識する。</td></tr><tr><td><strong>不動マネジャーのアドバイス</strong></td></tr><tr><td>この防止策では、具体的なアクションのレベルになっていないので、まだまだ考えが浅いね。<br>「人の話をもっと注意深く聞く」は、「人の質問を繰り返して確認する」とすることでアクションになるね。人の言葉を繰り返すことを「リフレージング」、もとの文や一節をほかの言葉で言い換えることを「パラフレージング」という。<br>ほかにも次のような工夫ができるだろう。<br>- 聞かれたことや話し合いのテーマを「問い」の形に落とし込む。<br>- 聞かれたことに対して、まず直接の答えとなる結論を述べ、その後、理由を述べるというように、順番を意識する。</td></tr></tbody></table></figure>

1章の要点シート:HERE

2章:基本技術2(枠組みを決める)

1章では、ロジカル・シンキングの全体像と「今何を考え、論ずべきか」という目的を押さえる基本技術を学びました。目的を押さえた次に必要な基本技術は何でしょうか?それは、**思考の枠組み(切り口)**です。

思考の枠組みとは / なぜ重要か?

「思考の枠組み」とは、目的を果たすために考える「項目のセット」。目的を果たすことができる適切な項目(群)を使って考える必要がある。

具体的に、例えば、枠組みに漏れがあると、必要な情報を見逃してしまったり、問題の全体像をとらえられなかったり、解決策のアイデアを十分に広げることができなかったりする

枠組みを考えるときの注意点、陥りやすい3点

枠組みを考えるときの注意点、陥りやすい3点
1.全体像把握不足 
いきなり細部の項目を決めたり、思いつきでリストアップしたりというように、物事の全体像を広くとらえていない。
【防ぐための自問】
自分は巨大な象の一部しか見ていないのでは?
今、自分がとらえている範囲は、もっと大きな全体像の一部分にすぎないのではないか?
2.一点豪華主義
1つの可能性や要因を考えたらそれだけで満足してしまい、ほかのいろいろな可能性や別の要因をゼロベースで複数考えていない。
【防ぐための自問】
「目的を果たす(理想的な状態)にはどんな条件がそろっている必要があるのか?
この要因だけを満たせば本当に理想的な状態になるのか?
3.自己中心主義
自分に都合のよい項目(群)や切り口で主張を組み立ててしまい、コミュニケーションの相手側(反対側)から見て押さえるべき項目を無視している。
【防ぐための自問】
自分は徹底的に相手(反対側)になりきって見ているのか?
聞き手や読み手だとすると、どのようなことに興味関心、懸念があるだろうか?

これらを十分認識し、何と何が言えれば、あるいは、どんな項目を「セット」で押さえれば、「考える目的」を果たせるかということを、まず意識する必要があります。 
言い換えると、物事を考えるとき、いきなり細かいところに行ってしまうのではなく、「考える目的」と「目的をふまえた枠組み(項目のセット、項目の流れ)」というお膳立てをまず行ってから、「本格的に考える」というプロセスが重要です

Points **「何を考え、論ずべきか」という目的を押さえたら、次は、「その目的を果たすためには、どのような項目(群)を押さえる必要があるのか」という「思考の枠組み(切り口)」を考えます。その際陥りやすい、全体像把握不足、一点豪華主義、自己中心主義に注意します。**
例えば、「最近、体重をキープしたいのに増えてしまう」問題があるときに、どういう対策があるか? <MunchkinSpeech name="マンチカン" icon="https://www.geodyssai.com/wp-content/uploads/2026/04/cat-150x150.jpg"> 食事回数や間食を減らしましょう! </MunchkinSpeech> この対策は、「インプット」に関する対策です。この問題について、インプットだけを考えても効果的でないはずです。要するに、「カロリー消費量(運動量)を増やす」という「アウトプット」も「枠組み」として同時に考慮しないと問題解決になりません。つまり、詳細な解決策に飛びつく前に、**「Inuput & Output」という思考の枠組み**をおくことが重要である。 --- 対話においても、主張をするときに、それを判断するうえで**「考慮すべきポイント」**や**「必要十分な項目(群)」**が押さえられているか?が、相手の説得に大きく影響する。 例えば、「製品Aの製造に使う部品Bの調達先をC社に変えたい」と上長に提案したい。 <MunchkinSpeech name="マンチカン" icon="https://www.geodyssai.com/wp-content/uploads/2026/04/cat-150x150.jpg"> C社の部品の品質のよさと安さに強みがあります! </MunchkinSpeech> 部品の品質のよさと安さだけを押さえれば、上長は納得するでしょうか?。ほかにも理由は考えられますが、少なくとも、「納入が早いから(納期が安定しているから)」という項目も理由として述べないと上長の了解は得られないでしょう。 ※Q( Quality:品質)、C( Cost:コスト)、D( Delivery:納期): 企業や製品の基本的な競争力を決める構成要素(一例)です。 <figure class="wp-block-table"><table class="has-fixed-layout"><tbody><tr><td>問題</td><td>対策</td></tr><tr><td rowspan="3">製品Aの製造に使う部品Bの調達先をC社に変えたい</td><td>品質がよいから</td></tr><tr><td>安いから</td></tr><tr><td><strong>納入が早いから(納期が安定しているから)</strong></td></tr></tbody></table></figure> 「**QCD」という思考の枠組み**を使っている

MECE を意識する

「枠組み」は、問題分析、コミュニケーションにおいて、必要な項目が、全体をカバーしていてモレがなく、かつ、ダブりがないことが重要。

では、的確な枠組みを構築する方法は?

That comes in MECE

マンチカン
マンチカン
なぜ、MECEを意識することが重要なのか?

問題解決やコミュニケーションにあたり、重要な点を見落としたり(モレがあったり)、同じことをダブって考えたりすれば、効果的・効率的な問題解決や納得感のある説明につながりません。

たとえば、ある商品の欠陥が見つかったときに、「問題の可能性は、A(原材料そのものの欠陥)とB(製造時のミス)とC(保管時のミス)の、大きく3つにある。AとBには問題がないことがわかっている。だからCに原因がありそうだ。もっとCの状況を詳細に調べてみよう」という結論になったとします。ここで問題の分解にモレやダブりがあると、「A+Bでない部分=C」という割り切りができなくなってしまいます。

仮に、この商品は長距離輸送が必須で、D(保管後の配送時のミス)の可能性もあるのに考慮しておらず、それをだれかに指摘された場合、「C=最重要な問題個所」に絞り込めなくなり、Cが原因という結論に説得力がなくなってしまいます。そのようなことを避けるために、「全体を押さえてモレなくダブりなく切り分ける= MECE 」というコンセプトが大切なのです。

MECE の例

Pop Quiz 休日の過ごし方について、MEECEで分類の切り口を複数書き出せ。(例:体を休める・体を動かす) 私の回答 - - 屋内、屋外 - - 文化系、運動系 - - プライベート、業務 - - 自己研鑽、休暇 ヒント - - 最初から、友人とサーカーをするなど細かい項目を考えるよりも、まず、全体を俯瞰して2つか**3つに**大きく切り分けるというアプローチが有効 - - 大きく切り分けた切り口を組み合わせることで、さらに細かい過ごし方が網羅的に出てくる 解答例 何で切るかによって、切り口は多数ある。例えば、「体を休める・体を動かす」は何をするかという切り方の大元になる切り方と言える。 - - 家の中で過ごす・家の外で過ごす(どこで過ごすかという切り方) - - 一人で過ごす・家族と過ごす・恋人や友人と過ごす(誰と過ごすかという切り方) - - お金を使う・使わない(いかに過ごすかという切り方) もちろん、上の切り方を使って、どこで誰と過ごすか、誰と何をして過ごすかという切り口も生まれる。

主なMECE のタイプ

※MECE 自体が「目的」ではなく、あくまでも手段。タイプに固執せず、実践で有意義に活用する。

    • 示した例の中には正確には MECE でないものもあります。あまり厳密にこれらのタイプにこだわりすぎる必要はありません。
    • MECE にするのは、効率的な問題解決や効果的なコミュニケーションをするためです。「手段」であって、MECE 自体が「目的」ではありません。7~9割の人が見て妥当と思い、活用に耐えられれば十分です。大切なのは実用性です。
Tips ビジネスにおいては、「ビジネス・フレームワーク 」という MECE を応用した既存の枠組みが多く使われます。 **・4P** マーケティングで使われる枠組み。Product (製品)、Price (価格)、Place (流通・販売チャネル)、Promotion (広告・販売促進活動)。 **・3C** 事業戦略分析(3C分析 )で使われる枠組み。Customer (市場・顧客)、Competitor (競合)、Company (自社)。 **・QCD** 顧客の購買決定要素。Quality (品質)、Cost (コスト)、Delivery (納期)。 **・バリューチェーン** 企業の業務活動の連鎖。たとえば、「研究開発・購買・生産・マーケティング・販売・物流・サービス」。 **・AIDMA モデル** 顧客の購買決定プロセスのモデル。Attention (注意)、Interest (興味)、Desire (欲求)、Memory (記憶)、Action (行動)。
Points **主張の枠組み、問題分析の切り口において大切な MECE には、主に集合(構成要素)タイプ、変数(×÷)タイプ、プロセスタイプの3つがあります。あくまで MECE にするのは、効率的な問題解決や効果的なコミュニケーションのための「手段」であり、「目的」ではありません。**
エクササイズ Q:あなたはA事業部の人事委員会のメンバーです。現在営業部に所属する若手の松本さんに、財務部に異動してもらうことを委員会に提案しようと考えています。 松本さんは数年前までは人事部に所属していました。松本さんは、本社人事部から将来的にはヒト・モノ・カネの領域について幅広く経験する経営幹部候補として育成したいといわれています。 さて、委員会にはどのような理由の「枠組み(項目のセット)」でこの異動案を説得しますか。 「ヒト・モノ・カネの全領域を広く経験させたい(と人事部が言っている)から」だけでは理由としては弱いと考えてください。項目は3つとは限りません。 ![](https://www.geodyssai.com/wp-content/uploads/2026/06/image-7-1024x217.png) 解答例: ![](https://www.geodyssai.com/wp-content/uploads/2026/06/image-8-1024x286.png) アドバイス: <InfoBox kind="info"> **異動先の財務部をふくめた**と**ころはよいね。ただ、松本さんの異動に関与するのは、要望を出している人事部と財務部だけだろうか。また、本人はどうだろうか。** **すでに示されている「松本さんの育成にとって」に加え、「(異動元の)営業部にとって」 「(異動先の)財務部にとって」、そして、「松本さんの本人の希望として」というように、主要な「関係者(関係部門)」をふくむ理由の枠組みで構成すれば、ずっと説得力は高まるはずだよ。前のLessonで学習した、思考の枠組みを考える際の陥りやすい点に留意しよう**

MECE の切り口を考える

MECE の主な3つのタイプをベースに、具体的な「枠組み(切り口)」を出すためには、4WX(ダブリューエックス)を活用する。

Points **MECE の切り口を多く出すことの重要性は?:** **問題発見・解決やコミュニケーションが効率的に進む可能性が高まりまるから。「枠組み(切り口)を多く出すための枠組み(切り口)」である「4WX」を活用すると、切り口を多く出すことができます。**
**4WX (ダブリューエックス)** 枠組み(切り口)をたくさん出すための枠組み(切り口) - - What = 何を (対象物に着目) - - Who = だれが (人に着目) - - When = いつ (時間に着目) - - Where = どこで (場所に着目) - - X = ×÷などの変数(単価×客数、店員1人当たりの売上高×店員数など・・・) ※数多くの枠組み(切り口)を柔軟かつ効率よく出すことができる。

具体例(フラワーショップの売上の分類)

MECE の切り口を考える
問題発見や問題解決を考えるとき、問題をとらえたり分解したりする切り口を、数多く出せるほうが分析の視点が深まり、解決の可能性が高まります。コミュニケーションにしても、伝える相手がピンとくる枠組みを押さえて伝えるほうが相手の納得が得やすいでしょう。いつも同じような切り口では「違い」や「変化」を見逃してしまいますし、思考も深まりません。

MECEの切り口を柔軟に数多く考えるにはどうしたらよいでしょ
うか?

それでは、例として以下の問題を考えてください。

あなたは、都内に 20 ほど店舗を持つ大手「フラワーショップM社」の経営企画部員です。販売事業とスクール事業(フラワー装飾士などになりたい人々向けの資格取得支援)が主な事業です。ドライフラワーやプリザーブドフラワー(長期保存可能なように加工したもの)をふくめ花全般を扱っています。
ここ最近業績が悪化し、同社の売上は3期連続でマイナス成長となっています。そこであなたは経営上の問題点を探るため、まず、M社の売上状況をいろいろな切り口で調べたいと思っています。「フラワーショップM社」の「売上」について、MECE で分解の切り口(例えば、事業別)をできるだけ多く( 20 個以上)出してみましょう。 (分類のためのデータが取ってあるかどうかは考慮しません。)

下の表のように、たくさんの切り口が考えられます。実際の問題発見・解決立案では、切り口を組み合わせて使うことのほうが多いでしょう。たとえば、「店舗別」と「顧客の個人/法人別」や、「家族構成別」と「用途別」などをマトリクスにしたり、時系列ごとに「客当たり単価×客数」を比較したりという感じです。

MECE の切り口例

事業別(販売事業/スクール事業)
[販売事業にかぎり]
花のジャンル別(生切り花/ドライ/プリザーブド/鉢植え)花種別、花の長さ別、花の色別、花のアレンジタイプ別(切り花/花束/ブーケ)、価格帯別、用途別(日常花、仏花、ギフト用)、…
[お客]
個人/法人、性別、年齢別、職業別、年収別、家族構成別、来店所要時間別、…
[店員]
性別、年齢別、既婚/未婚、経験年数別、花関連保有資格別、…
月別、曜日別、休日/平日、天気別、季節別、時間帯別、…
店舗別、地域別、競合店立地状況別、店舗規模別、立地特性別(郊外店/都心店)、…
客1人当たりの単価×客数、店員1人当たりの売上高×店員数、…

さて、皆さんはここでも「考える枠組み」を意識されたでしょうか。思いつくものを手当たり次第にあげていったとしたら、まだまだスキルアップの余地があります。より効率的に切り口を出すために、以下の「枠組み(切り口)を考える枠組み(切り口)」を活用することがポイントです。

4WX に上の表を当てはめると、次のようになります。皆さんが考えた切り口はどうでしたか。どこかの切り口(視点)に偏っているようなことはありませんでしたか。このような視点でとらえることで、物事を多面的に見ることができ、思考も深まります。

What事業別(販売事業/スクール事業)
[販売事業にかぎり]
花のジャンル別(生切り花/ドライ/プリザーブド/鉢植え)
花種別、花の長さ別、花の色別、
花のアレンジタイプ別(切り花/花束/ブーケ)、
価格帯別、用途別(日常花、仏花、ギフト用)、…
Who[お客]
個人/法人、性別、年齢別、職業別、年収別、家族構成別、来店所要時間別、…
[店員]
性別、年齢別、既婚/未婚、経験年数別、花関連保有資格別、…
When月別、曜日別、休日/平日、天気別、季節別、時間帯別、…
Where店舗別、地域別、競合店立地状況別、店舗規模別、立地特性別(郊外店/都心店)、…
X客1人当たりの単価×客数、店員1人当たりの売上高×店員数、…

What や Who ばかりに注目して、ほかの切り口( When など)を見逃していると、問題の原因や解決策を模索したり、相手がピンとくる枠組みを探したりする範囲を狭めることになります。まずはいろいろな切り口を多く出してみることが重要です。

Pop Quiz Q:あなたの会社・組織の売上(収益)を分けるMECEの切り口を出せ。特に、これまで考えたことがなかった切り口を意識して、「4WX」を活用しよう。 A:「4WX(切り口の切り口)」を意識して、自分の出した切り口を俯瞰してみてください。効果を実感できましたか?これまでは考えたことがなかった切り口はいくつありましたか。また、切り口に偏りがあったら、ぜひ追加しよう。

切れ味のよい切り口を探る

MECE の切り口について、仮説をもとにした効果的な決め方を学習します。

**Summary** 数多くの切り口から、どの切り口が問題個所を絞り込めるか、重要な部分が浮き彫りになるかなど、切り口の意味を考える。 ![](https://www.geodyssai.com/wp-content/uploads/2026/06/image-9.png) ※ さまざまな切り口の候補から、切り口の意味を考えることが大切。どの切り口だと問題個所を絞り込めるか、伝える相手がピンと来るかといった切れ味のよい切り口を、「仮説」をもって探ることが重要。
マンチカン
マンチカン
問題解決やコミュニケーションに効果のあるMECEや枠組みを 見つけられるようになります

今までの学習で、できるだけ多くの枠組みをあげることを学びました。枠組みを多く考えたら、それらの中で意味のある枠組みを探る必要があります。

切り口を吟味する
再度、前 Lesson の「フラワーショップ M 社」の例で考えてみましょう。

たとえば、業績悪化の原因を探るためには、「花の長さ別」で売上を分解して意味がありそうでしょうか。おそらくこの切り口よりも「花のジャンル別」」や「用途別」のほうが、意味がありそう(違いが表れそう)です。なぜなら、花の趣向やライフスタイルの変化は、花の長さなどよりも、花のジャンルや用途に反映されそうだからです。また、店長が売上向上をねらって人材の再配置を考える場合、店員の「既婚/未婚別」 よりは、「経験年数別」や、「花関連保有資格別」などのほうが意味がありそうです。

このように、切り口が MECE であることや、たくさんの切り口候補を見つけることは大切ですが、そのうえで考えなければならないのは、その切り口が問題解決やコミュニケーションに役立つかどうかです。

見つけた切り口が、問題解決やコミュニケーションに役立つかどうか、吟味しましょう。

「問題個所を探す」という目的で分解するのであれば、分解した結果、ある部分に問題が集中していることが理想的です。なぜなら私たちが物事を MECE で分けている目的は、「重要でないところ」「問題でないところ」を「捨てる(見ない)」=「問題個所のみを拾い出す」「問題点を絞り込む」ことだからです。

切れ味のよい切り口を探る
「 4WX 」などを意識して、いろいろな角度から切り口を出してみたら、それぞれの切り口で分解すると何が見えてくるのか、切り口の意味を考えます。そのうえで、問題個所を一網打尽 にしたり、重要な部分を浮き彫りにしたりできそうな、切れ味のよい切り口を探って絞り込むことが重要です。

マンチカン
マンチカン
それでは、どうやって切れ味のよい切り口を見つければよいで しょうか?

フラワーショップの例で説明しましょう。この場合、たとえば「最近は仏花を買う人が減っているのではないか」、「近隣のライバル店が影響しているのではないか」などの「仮説」が大切なのです。そういう疑問をもっていれば、それぞれ、「用途別」、「ジャンル別」、「近隣競合店立地状況別」などの切り口が浮かぶはずです。

コミュニケーションの場合も同様です。主張を相手に理解納得してもらうことがねらいであれば、相手がピンとくる MECE の枠組み、つまり、「このテーマはこう分けて説明してほしいだろう」、「このポイントは押さえてほしいだろう」という枠組みを探ることです。たとえば、「ある事業の経営課題」を事業部長に説明するときに、一般的な「ヒト・モノ・カネ」という枠組みで説明することが必ずしもよいとは限りません。事業部長はもしかしたら、「開発」機能(部門)がとくに問題だと考えているかもしれません。そうであれば「バリューチェーン」という枠組みで、問題部分を指摘するほうが納得感は高くなるでしょう。

仮説をもって、効果のありそうな枠組みを選びましょう。
Points さまざまな切り口候補を出したら、「それで分解すると何が見えてくるのか」、切り口の意味を考えることが大切です。そのうえで、どの切り口だと問題個所を絞り込めるか、伝える相手がピンとくるか、「切れ味のよい切り口」を、「仮説」をもって探ることが重要です。

まとめ

以下のことを学んだ

マンチカン
マンチカン
枠組みを決めることは「考える」ときに、とても大切なことだ。こ れから何度も枠組みを決める機会があるだろう。そのたびに効果的な枠組みは何かを考えて、経験を積んでいこう。
エクササイズ Q1:自分が考えた問題解決策や企画・提案などについて、上司や顧客から「これでは全体像をとらえていない」、「このポイントが抜けている」など、いわゆる「思考の枠組み」の不完全さを指摘された経験はありますか。 具体的にあなたが経験した、このようなことを1つあげてください。そして、どのようにすればそれが防げたのかを振り返って記述してください。 A1: <figure class="wp-block-table"><table class="has-fixed-layout"><tbody><tr><td>◆経験<br>顧客に自社の製品・サービスをアピールするときに、「製品の性能」や「製品の品質」のよさばかり細かく話してしまい、顧客が気にしている「価格」や「納期」・「アフターサービス」などの説明を漏らした。<br>◆防止策<br>顧客の身になって考える。顧客が知りたいことを意識する。</td></tr><tr><td><strong>アドバイス</strong></td></tr><tr><td>この防止策では、具体的なアクションのレベルになっていないので、まだまだ考えが浅いね。「顧客の身」になるにはどのような自問をするとよいか、「顧客が知りたいこと」をできるだけ網羅するにはどのような心がけが必要かなど、もう一歩掘り下げて、自分なりの抜けモレを押さえるコツ、全体を見るコツを獲得したいね。</td></tr></tbody></table></figure> Q2:あなたの会社や部門の「顧客」を分類する MECE の切り口をできるだけ多く出してください。とくに、これまで考えたことがなかった切り口を意識して出してみましょう。(分類するデータの有無は考慮しない。) A2: <figure class="wp-block-table"><table class="has-fixed-layout"><tbody><tr><td><strong>木村さんの場合</strong></td></tr><tr><td>地域別、業種別、自社の製品タイプ別</td></tr><tr><td><strong>アドバイス</strong></td></tr><tr><td>まだまだ少ないね。ふだん社内で使っている分類の切り口とは違う切り口を、もっとたくさん探そう。また、その切り口で分けるとどういうことが見えそうかということも考えよう。さらに、どうすれば多くの切り口がもっとたやすく出せるかということについても考えよう。</td></tr></tbody></table></figure>

基本技術3(正しい論理展開をする)

Lesson1 正しい論理展開の重要性

**Summary** <InfoBox kind="info"> **論理展開とは、「ある結論を導くために、その結論が言える理由を、事実や前提を使って組み立てていくこと」。コミュニケーションが発生するあらゆる場面で「正しい論理展開」を心がける必要がある。** **相手とのディスカッションにおいても、相手の主張の理由、考え方の「前提」を明らかにしていくなど、論理展開を把握する必要がある。**

※考えるときは、ロジカルに組み立てますが、エモーショナル(感情面)に配慮して伝えることを忘れてはいけません。

Lesson2 論理展開の基本パターン

すべての論理展開のパターンは、「演繹法(deduction)」と「帰納法(induction)」、その組み合わせで構成されている。双方のパターンを有効活用することで思考を効率化したり、価値のある結論をスピーディに生み出したりすることができる。また、コミュニケーションの質が上がり、さらに、創造的なアイデアが生み出せる可能性も高まる。

演繹法

    • ある前提(ルール、一般論、あるいは信じる価値観)に、観察事項(具体的事実)を当てはめて結論を出すパターン。2つの情報を関連づけて結論を出す方法で三段論法、連鎖的論理展開ともいう。
    • 例)

帰納法

    • 複数の観察事項(具体的事実)の共通点に着目し、ルール・一般論・法則を導きだすパターン。結論は1つに限らず、解釈によって、さまざまな結論が出る可能性もある。そこから、例外(反証例)が少ない結論を導く。
    • 例)

Lesson3 演繹的論理展開
演繹的論理展開の手法について学習します。

Lesson4 帰納的論理展開
帰納的論理展開の手法について学習します。

Lesson5 演繹法の落とし穴(1)見えない前提への無関心
演繹法の1つめの落とし穴である「見えない前提への無関心」の防止法を学習します。

Lesson6 演繹法の落とし穴(2)前提の当てはめ違い
演繹法の2つめの落とし穴である「前提の当てはめ違い」の防止法を学習します。

Lesson7 演繹法の落とし穴(3)論理展開の省略・飛躍
演繹法の3つめの落とし穴である「論理展開の省略・飛躍」の防止法を学習します。

Lesson8 帰納法の落とし穴(1)少ない観察事項からの軽はずみな一般化
帰納法の1つめの落とし穴である「少ない観察事項からの軽はずみな一般化」の防止法を学習します。

Lesson9 帰納法の落とし穴(2)偏った観察事項からの軽はずみな一般化
帰納法の2つめの落とし穴である「偏った観察事項からの軽はずみな一般化」の防止法を学習します。

Lesson10 仮説を立てる
「論理展開」における「仮の結論」の重要性とキーワード「 So What? 」について学習します。

マンチカン
マンチカン
なぜ、MECEを意識することが重要なのか?

【数字・記号】
3C分析3Cとは、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の頭文字をとったもの。外部環境の市場・顧客と競合の分析から事業成功のカギ(Key Success Factor)を見つけ出し、自社の経営課題の発見や戦略の改善・立案に活かす、もっとも基本的な分析手法である。
4PProduct(製品)、Price(価格)、Place(チャネル、流通)、Promotion(広告・販売促進活動)の頭文字をとったもの。市場における機会を発見し、有望顧客を分類して絞り込み、競合より魅力的な位置づけを考慮したあとのステップが、この4Pからなるマーケティングミックスと呼ばれるものである。この4Pをコントロールし、売れるための仕組みを作るとき、それぞれのPを個別に考えるのではなく、整合性がとれるようにすることが重要である。 
5W1HWhen(いつ)、Where(どこで)、Who(だれが)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)の頭文字をとったもの。これらに、Whom(だれに)、How much/many(いくらで、どの程度)を加え、6W2Hを加えることもある。情報の整理(文章表現)や伝達(報告・連絡)の場面で、これらの要素を押さえることは、極めて重要である。 

【A~Z】
AIDMA モデル消費者の購買決定プロセスを説明するモデルの1つで、Attention(注意)・Interest(興味)・Desire(欲求)・Memory(記憶)・Action(行動)の頭文字をとったもの。消費者はまず、その製品の存在を知り(Attention)、興味・関心をもち(Interest)、欲しいと思うようになり(Desire)、買おうと心に留め(Memory)、最終的に購買行動にいたる(Action)という購買決定プロセスを経る。このように、顧客の購買決定段階をいくつかに分解して、顧客がどの段階にいるかを見極めることで、顧客の状態(段階)に応じたコミュニケーション(プロモーション)戦略をとることができる。なお、AIDMAのMを、動機(Motive)と定義することもある。
CREPOC説得力のある口頭・文書での主張の構造を作る際に押さえておきたい要素。Conclusion(結論)、Reason(結論の理由)、Evidence/Example (根拠となる事実・具体例)、Preparation for Opposition (相手の反論や疑問への備え)、Conclusion (再び結論)という要素から成る。POを外した、CRECが基本形である。
Howのピラミッド「説得力のある主張の設計図」であるピラミッドストラクチャーの「Whyのピラミッド」と並ぶ、主張の構造のタイプ。行動のポイントや目的を主張部分(メインメッセージ)に置き、その下のキーメッセージの部分以下には具体的なステップやポイントが展開される。 
KBFKey Buying Factorの略。顧客が多数の製品の中から最終的にある製品を選択し、購買を決める際に決定打となる要素。さまざまなニーズの中でターゲットになる顧客がもっとも重視する要素。
KSFKey Success Factorsの略。当該業界、当該事業で成功するための要件。持続的な競争優位性を構築するうえでのカギ。KFS(Key Factors for Success)ともいう。市場や競合を客観的に分析したうえで、KSFを抽出し、自社の強み・弱みと照らし合わせて戦略を考えるという思考のプロセスが重要である。 
MECE問題発見や問題解決をする際、あるいは、論理的なコミュニケーションをする際重要な概念。Mutually(お互いに) Exclusive(ダブりがなく) Collectively(全体として) Exhaustive(モレがない)、の頭文字をとったもの。全体を、モレもなく、重なり(ダブり)もないようにしながら、複数の要素に分解すること(枠組みを探すこと)を指す。MECEが不完全な場合、すなわち、モレがあると重要なポイントを見落とすことによって問題個所が見つからなかったり、説得力を弱めてしまったりするし、ダブりがあると効率的な分析ができなかったり、わかりにくい説明になったりする。
QCDQuality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)の頭文字をとった略語。ビジネスにおいて重視すべき、企業や製品の基本的な競争力を決める構成要素である。これらのそれぞれについて目標を定め、それを達成するための具体的な方法を考え、実現することが仕事を進めるうえでの基本となる。もとは製造業で使う用語で、生産管理において重視すべき要素を表す言葉である。
Whyのピラミッド「説得力のある主張の設計図」であるピラミッドストラクチャーの「Howのピラミッド」と並ぶ、主張の構造のタイプ。一般的にピラミッドストラクチャーというときはこのタイプを指す。階層の上下に論理関係(結論・主張と理由の関係)がある。下の層から上にSo What(だから何、したがって・・)?  上から下にWhy(なぜかというと・・・)? という関係が成り立つ。チェックポイントは、演繹的または帰納的な論理展開になっているか? 主張を支える十分な理由、根拠があるか?である。

【ア】
アウトソースOutsource。アウトソーシング(outsourcing)。外注、外製。自社の業務や機能の一部または全部を、外部の企業などに委託すること。経営資源や組織能力を補完する方法の1つである。 
一網打尽一度に網を打ちおろして、魚をすべて取り尽くすこと。転じて、一挙に一味の者を残らず捕えることも指す。本コースでは、問題個所や重要な部分をできるだけ多く捕捉することという意味で使用している。
演繹法論理展開のパターンの1つ。ある前提(ルール、一般論、あるいは信じる価値観)に、観察事項(具体的事実)を当てはめて(関連づけたり、照らし合わせたりして)、必然的に帰結される結論を出すパターン。三段論法、連鎖的論理展開。

【カ】
蓋然性事象が起こる確率。
仮説ある現象を理論的に説明するために、立てられた仮定。本コースでは、限られた時間、限られた情報の中で、想像力と論理力を最大限駆使した、その時点でもっとも確からしいと考えることができる、判断や行動に結び付く、「仮の結論」という意味で使っている。
キーメッセージKey message。本コースでは、「説得力のあるコミュニケーションの設計図」であるピラミッドストラクチャーにおいて、一番言いたい結論・主張であるメインメッセージを支える大きな枠組み(2段目の箱)のメッセージを指す。キーラインメッセージともいう。なおキーメッセージは、その下部にあるサブメッセージ(事実・根拠)によって支えられる。
帰納法論理展開のパターンの1つ。 複数の観察事項(具体的事実)の共通点に着目し、ルール・一般論・法則を導き出す、または、無理なく言えそうな結論(解釈)を導き出すパターン。
競争優位ある業界において、顧客が価値を見出し、他社がまねできない方法や戦略を実行する能力のこと。短期ではなく、中長期にわたって競争力が継続する持続的優位性が重要である。
検証真偽を確かめること。仮説や事実を確認・証明すること。

【サ】
主語「AはBである」といった文(メッセージ)の中で、「Aは」に当たる部分を指す。つまり、次に述べられる属性の主体に当たるものである。言い換えれば、「だれが(何が)どうする」「だれが(何が)どんなだ」「だれが(何が)何だ」における「だれが(何が)」に当たる文節である。 
述語「AはBである」といった文(メッセージ)の中で、「Bである」にあたる部分を指す。つまり、主語に対して、その動作・作用・性質・状態などを叙述するものである。言い換えれば、「だれが(何が)どうする」「だれが(何が)どんなだ」「だれが(何が)何だ」における「どうする」「どんなだ」「何だ」にあたる文節である。 
主論点一般的に、「論点」とは「議論の対象となっている問題点」を指すが、本コースでは、「現時点で考え、論ずべきこと」をいう(issue)。「主論点」とは、「主要な論点(問い)」「根本的な論点(問い)」を指し、これに対する答えがピラミッドストラクチャーにおける「メインメッセージ」である。「主論点」を分解した小論点を、「副論点」という。
消費財 個人が使用・消費することを目的に購入される製品。たとえば、食品や衣料品など。
ステレオタイプStereotype。固定化された考えや態度や見方が、多くの人に浸透している状態のこと。たとえば、メディアが伝えるイメージが人々の間で固定し、人々は考えることを省略してそのようなイメージに基づいて、固定化された認識、判断を行うようになる。
生産財原材料や部品、設備など企業など法人が、生産活動で使用する目的で購入される製品。産業財ともいう。生産財はさらに、「材料・部品」(最終製品の生産にすべて使用))、道具や機械などの「資本財」(最終製品の生産に部分的に使用)、保守・修繕に用いる「備品・サービス」(最終製品にまったく使用されない)という3つの生産プロセスで分けることができる。
全体最適 システムや組織において、各部分、各組織、各機能それぞれの最適化ではなく、当該システム・組織の全体の最適を図ることをいう。たとえば、企業および企業グループで調達、生産、物流、販売など個々の業務機能のみの生産性を上げる(部分最適)のではなく、視野を広くもち、企業および企業グループ全体のバリューチェーンやサプライチェーン全体としての収益の最大化、効率や生産性の最適化を目指す、ダイナミックな意思決定を指す。反対語は「部分最適」、「個別最適」。 

【タ】
抽象化個々の具体的事象から共通の属性を抜き出して、一般的な概念を作ること、帰納法は、個別的・特殊的な事例から一般的・普遍的な規則・法則を見出そうとする推論方法であるので、「抽象化」の思考法を使っているといえる。反対語は「具体化」。 
鼎立ていりつ。中国の容器で、三本脚の金属の器を鼎(かなえ)という。これに見立て、3つのもの、また3つの勢力が、鼎の足のように互いに対立している様子を指す。本コースでは、「対立概念」に加え、「鼎立概念」として、たとえば、「産・官・学」「技・生・販(技術・生産・販売というメーカーの機能の3つの柱)」「ヒト・モノ・カネ」「心・技・体」など、MECE(全体をカバーしてモレやダブりがないこと)を意識して、3つの要素や概念がセットになっていることを表している。 

【ハ】
ハイパフォーマーHigh performer。仕事上のスキルに長けて、高い成果創出に向けて安定的に行動できる優れた人材。 
バリューチェーン Value chain。1つの製品やサービスが顧客に届くまでの、企業の業務活動を機能ごとに分類したフレームワーク。企業の「価値連鎖」構造を分析するツール。どの部分(機能)で付加価値が生み出されているか、競合と比較してどの部分に強み・弱みがあるか、業界の成功要因から見てどの部分に改善の余地があるかを分析し、事業戦略上の課題の発見や改善や再構築の方向を探るために用いられる。「モノの流れ」に着目して企業の活動を「主活動」と「支援活動」に分け、それに利益を加えて全体の付加価値を表している。「主活動」は、部品や原材料などの購買、製造、出荷物流、販売・マーケティング、アフターサービスなどがある。「支援活動」は、主活動を支える人事や経理、技術開発などの間接部門がある。一般的には、「支援活動」を除いた「主活動」のみで表されたり分析されることが多い。
ビジネス・フレームワークBusiness framework。ビジネスで汎用的に用いられる切り口。3C、バリューチェーン、SWOT、AIDMAなど、ビジネス上の課題の発見や問題分析、戦略立案など、いろいろな局面で目的に応じて活用されるが、単に情報やデータを枠に当てはめて整理するだけでなく、意思決定やアクションにつながる「示唆」を出すことが重要である。 
ピラミッドストラクチャーPyramid structure。論理の構造化や、説得力のあるコミュニケーション(文書、口頭)を設計するうえで重要なコンセプトでありツールである。一番言いたい結論(メインメッセージ)をピラミッドの頂点に置き、そのメッセージを支えるメッセージや情報を順次下層に配置していく構造。どの三角形も演繹法(連鎖型展開)か帰納法(並列型展開)の「論理のセット」で成りたたせることによって、思考の正確性、コミュニケーションの明快性を担保する。「前提」や「観察事項」など2つ以上の情報や小メッセージが、上のメッセージをそれぞれサポートする構造になるので、下層に行くほど末広がりの形、つまり、ピラミッド形になる。
俯瞰高所から見下ろして物事の全体像を見極めること。全体を広くとらえ、抜けもれのない枠組みを構想すること。 
副論点「論ずべき主要な問い」である「主論点」を分解した小論点を指す。ピラミッドストラクチャーで言えば、MECEが意識された「枠組み」を構成するそれぞれの問いを「副論点」と言い、それらに対する答えが「キーメッセージ」に当たる。「主論点」に対するメインメッセージを導くために、いかに有効な「副論点」のセットをつくるかが重要である。
部分最適システムや組織において、全体の最適化を図るのではなく、各部分、各組織、各機能だけの収益や効率の最大化を目指す考え方を言う。組織において、各部門が「木を見て森を見ない」部分最適的な思考や活動は、時として、全体として非効率な状態を生じやすくする。反対語は「全体最適」。

【マ】
メインメッセージMain message。本コースでは、「説得力のあるコミュニケーションの設計図」であるピラミッドストラクチャーにおいて、主要な論点である「主論点」に対する答えの部分であり、最上位にくる一番言いたい結論・主張のことをいう。 
メッセージMessage。本コースでは、論理の基本単位であり、単語ではなく、主語・述語で組み上げられたセンテンス(文章)を意味する。

【ラ】
ロジックツリー Logic tree。物事を分解して考える際に有益な思考のツール。上位概念を下位の概念にMECEを意識して論理的に分解していくもので、大きいものから小さいものへ段階的に分けていくことで、広く、深く、「思考の守備範囲」を担保しながらスピーディーに考えることを可能にする。用途としては、問題個所や原因の発見・特定(本質的な問題のありかを絞り込みたいときや、その問題がどうして起こるのかの原因を探りたいとき)や解決策の立案(特定された問題の対策の候補を出したいとき)の際、威力を発揮する。

【ワ】
割引インセンティブ 「インセンティブ(Incentive)」というのは、人や組織のモチベーションを誘引するものをいい、代表的なインセンティブとして、金銭的報奨、社会的評価、自己実現の場の提供などがある。「割引インセンティブ」は、「金銭的報奨」にふくまれ、価格、料金、手数料などを、一定の割合(率)や額を割り引くことで、顧客のリピート化や購入量の増加を狙うもの。
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